養老保険の経理処理|受取人で決まる3つのパターンと仕訳例、半分損金の注意点

養老保険は、保険期間中に亡くなると死亡保険金、満期まで生存すると満期保険金が支払われる保険です。会社が契約者となって保険料を払う場合、経理処理は「死亡保険金」と「満期保険金」の受取人が誰かによって3つのパターンに分かれます。

この記事では、3つのパターンの経理処理と仕訳例、保険金を受け取ったときの処理、「半分損金」にするときの注意点を解説します。

目次

受取人で決まる3つのパターン

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パターン死亡保険金の受取人満期保険金の受取人保険料の処理
1会社会社全額を資産に計上(保険料積立金)
2被保険者の遺族被保険者全額を被保険者への給与
3被保険者の遺族会社2分の1を資産に計上、2分の1を損金(福利厚生費)

※パターン3で、役員や部課長など特定の人だけを被保険者にしている場合は、損金にする2分の1の部分がその人への給与になります(国税庁 No.5360)。

パターン別の仕訳例

年間保険料が100万円の場合の仕訳例です。

パターン1:受取人がどちらも会社

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借方金額貸方金額
保険料積立金100万円普通預金100万円

保険料は損金にならず、契約が終わるまで資産として積み上がります。会社に資金を貯める性格の強い契約です。

パターン2:受取人がどちらも被保険者側

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借方金額貸方金額
給与(役員の場合は役員報酬)100万円普通預金100万円

保険料は被保険者への給与として扱われ、所得税・住民税の対象になります。役員の場合、毎月同じ額を払っていれば定期同額給与として損金にできます。

パターン3:死亡は遺族、満期は会社(いわゆる「半分損金」)

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借方金額貸方金額
保険料積立金50万円普通預金100万円
福利厚生費50万円

従業員の福利厚生として使われることが多い形で、「福利厚生プラン」や「ハーフタックスプラン」とも呼ばれます。

「半分損金」にするときの注意点

パターン3で2分の1を福利厚生費として損金にできるのは、従業員の福利厚生のための契約と言える場合です。役員や部課長など特定の人だけを加入させると、損金にした部分がその人への給与とされます。

  • 原則として全員を加入させる(勤続年数や年齢など、合理的な基準で加入の条件を決めることは認められやすい)
  • 役職や性別によって保険金額に大きな差をつけない
  • 加入の条件を福利厚生規程などで定めておく
  • 役員と家族だけの会社で、役員とその家族だけを加入させる場合は、福利厚生と認められにくい

この「全員が加入しているか」は、税務調査でよく確認される点です。導入する前に顧問税理士と確認しておきましょう。

保険金を受け取ったときの処理

満期保険金を会社が受け取った場合

資産に計上してきた保険料積立金を取り崩し、満期保険金との差額を雑収入にします。たとえば、パターン3で保険料積立金が500万円、満期保険金が1,000万円なら、差額の500万円が雑収入(益金)です。

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借方金額貸方金額
普通預金1,000万円保険料積立金500万円
雑収入500万円

満期の年は利益が増えるため、満期の時期をあらかじめ把握し、退職金の支払いなどと合わせて考えておくとよいでしょう。考え方は法人保険の出口戦略で解説しています。

死亡保険金を遺族が受け取った場合(パターン3)

保険金は遺族に直接支払われ、会社には入りません。会社は資産に計上していた保険料積立金を取り崩し、雑損失として損金にします。

途中で解約した場合

解約返戻金と保険料積立金の差額を、雑収入または雑損失にします。仕訳例は法人保険の解約の仕訳と注意点をご覧ください。

まとめ

  • 養老保険の経理処理は、死亡保険金と満期保険金の受取人で3つに分かれる
  • 受取人がどちらも会社なら全額資産、どちらも被保険者側なら全額給与
  • 死亡は遺族・満期は会社なら半分資産・半分損金。ただし原則として全員の加入が必要
  • 満期保険金を受け取ると、保険料積立金との差額が雑収入になる

よくある質問

法人で入る養老保険の保険料は経費になりますか?

受取人によって変わります。死亡保険金・満期保険金とも会社が受取人なら全額が資産で、経費になりません。死亡保険金は遺族、満期保険金は会社が受取人なら、原則として半分を福利厚生費として経費にできます。

役員だけを加入させても半分損金にできますか?

できません。役員や部課長など特定の人だけを被保険者にすると、損金にする半分の部分がその人への給与になります。原則として従業員全員を加入させることが必要です。

養老保険の満期保険金を受け取ったときの仕訳は?

資産に計上している保険料積立金を取り崩し、満期保険金との差額を雑収入にします。満期保険金が積立金より少なければ、差額は雑損失です。

養老保険は2019年の改正の対象ですか?

2019年の改正で資産計上のルールが変わったのは、定期保険と第三分野保険です。養老保険の保険料の扱いは、受取人による3つのパターンのままです。

無料相談のご案内

いま入っている養老保険の保障内容と、満期や解約の時期の考え方を整理したい方は、お気軽にご相談ください。経理処理の確認は、顧問税理士にご確認ください。オンラインで全国から相談できます。

参考資料

この記事を書いた人

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士、宅地建物取引士、保険募集人。銀行勤務を経て、FPとして経営者の相続・資産・保険の相談に従事。2025年に相続専門の行政書士事務所を開業し、相続専門サイト「横浜青葉相続遺言相談センター」も運営。役員退職金・事業承継・法人保険の税務を、国税庁などの一次情報にもとづいて解説しています。

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